年末の恒例行事の一つともいえるのが大掃除です。各家庭ではあらかじめ予定を立てて、余裕を持った大掃除ができる方法を模索していると思いますが、中には「大掃除に何日もかけているヒマはない」という方もいます。
このような時に全く掃除を行わないのもありですが、これではやはり新年をすっきりとした気分で迎えるのは難しいですよね?そこで今回は年末に時間がない方でも大掃除を行うことができる方法や意識しておきたいポイントなどをまとめましたので解説します。
大掃除を1日で終わらせたい時に意識しておきたいこと
大掃除を1日で終わらせるのは簡単なことではありません。そこでまずは大掃除を1日で終わらせる時に意識しておきたいポイントをいくつかまとめましたのでご紹介します。
完璧を求めない
大掃除はリビング、キッチン、浴室、トイレ、その他子ども部屋や寝室など家全体を掃除することになります。そのため、基本的には部屋の数などが多い家ほど掃除にかかる手間も時間もかかります。
このような場合は家の細かい部分にまで気を使ってしまうと1日で終わらない可能性が高くなります。ちなみにこれは1Kなどの小さなアパートにもいえることですが、掃除をする箇所は挙げれば無数に存在するため、これら全ての箇所を1日で綺麗にするのは極めて困難です。
そのため、大掃除を1日で終わらせる時に特に意識しておきたいことは「完璧を求めすぎない」ことです。壁に付着した小さな目立たない汚れが落ちないから何十分もかけて落とすというのは決して悪いことではありません。
しかし、今回のテーマはあくまでも「1日で大掃除を終わらせる」ことです。小さな汚れ、普段は全く気にならない目立たない汚れなどに時間をかけていると必ず、掃除ができない部屋が出てきます。
これは完璧主義者の方ほど小さな箇所が気になりやすいため、特に注意しておきたいポイントでもあります。1日で大掃除を終わらせる時には「1日でこれだけやれば十分でしょ」という割り切った気持ちを持ちながら掃除を行うようにしましょう。
何年も使用していない物は基本的に捨てる
長い期間同じ家で生活していると「これ買ってから数年放置してあるよね」という物が増えてきます。このような使わなくなった物は基本的に処分してしまいましょう。特に購入してからろくに使用しなかった家電製品やダイエットグッズなど大きめの物は処分することで部屋が広くなったように感じ、すっきりとした印象を与えることができます。
また、床掃除をする際にも先に不用品を処分しておくことで「物をどかす」という行動が要らなくなるため、時間短縮にもつながりやすくなります。
「上から下へ」を意識する
これは掃除をする時は基本的に高い箇所から行いましょうということです。具体的には天井から手をつけていき、最後に最も低い床掃除という流れを守るようにします。この「上から下へ」が大切な理由ですが、二度手間を防ぐためです。
例えばですが床掃除から始めて最後に天井の掃除をすると天井のホコリが床に落ちますよね?最初に床を綺麗にしたにも関わらず、天井のホコリを落とすことで床はまたホコリまみれになってしまうため、再度床の掃除をしなければいけません。
この二度手間を防ぐために「上から下へ」の流れが大切となります。不必要な二度手間を防ぐことができれば時短にもつながり、1日で大掃除を終わらせるという目標も達成しやすくなります。
事前に計画を立てる
掃除をする範囲が広い大掃除の場合はやはり事前にしっかりと計画を立てておくことが大切です。汚れが目立つ箇所から手当たり次第に手を付けていくと前述のように不必要な二度手間を生むことになります。
大掃除の計画を立てる上で特に意識しておきたいことは「放置系掃除を行う箇所を事前に把握しておく」です。放置系掃除とは洗剤などをなじませておき、時間が経ってからカビや汚れを落とすことです。
具体的にはキッチン周りの油汚れや浴室のカビが発生している箇所が該当します。これらのしつこい油汚れやカビを除去するには通常の拭き掃除などでは非常に難しいですが、洗剤をなじませておくことで効率的に落とすことが可能です。
そして大掃除をする場合はまずこの放置系掃除が必要な箇所を把握するようにします。理由としては「洗剤をなじませておく時間が必要」となるためです。洗剤をなじませておく時間は汚れ具合や洗剤の洗浄力にもよりますが、30分~60分が目安とされています。
放置系掃除にはこの洗剤をなじませてから放置する時間が発生するため、1日が終わる夕方近くになってから作業に取り掛かると掃除が終わらない可能性も出てきます。そのため、大掃除をする時は「放置系掃除をする箇所を事前に把握しておき、午前中の早い時間帯に洗剤をなじませておく」ことが大切となります。
そして洗剤をなじませている間に他の箇所を綺麗にすることで効率的な大掃除が可能となります。大掃除を1日で終わらせるという難易度の高い目標を達成するには「掃除の順番」も意識しておきましょう。
必見!大掃除を1日で終わらせる順番やキレイにするコツを徹底解説!
ここからは実際に1日で大掃除を終わらせるための手順やキレイにするコツを紹介します。「大掃除ってどこから手を付ければいいの?」という方はぜひ参考にしてください。
①天井・電球・壁・家具・カーテンレール・窓枠等のホコリを落とす
まずは先ほど紹介した「上から下へ」の流れを守り、天井から徐々に下のほうに位置する箇所のホコリを床に落としていきます。順番としては「奥の部屋から始めていき、最後は玄関」というのが一般的です。
なぜ奥の部屋から始めるかというとホコリや汚れは奥から手前に移動させ、最後に玄関からまとめて掃き出すのが効率的とされているからです。この順番を逆にして「手前から奥へ」にすると「奥に溜めたホコリや汚れはどこに掃き出せばいいの?」ということになりますよね。
このような状況になるのを防ぐために大掃除では「奥から手前」が推奨されています。ちなみに普段手を付けていない天井や電球は想像以上にホコリが付着しているため、必ずマスクを着用して行うようにしましょう。
②掃除機をかける
奥の部屋から順番にホコリを落としたら、掃除機をかけます。掃除機をかける順番もホコリを落とす時と同様でかまいません。ちなみに掃除機をかける時ですが窓はできるだけ閉めておくようにしましょう。
理由としては窓を開けることで床に積もっているホコリやダニが風によって舞い上がってしまうためです。ホコリやダニが舞い上がった状態で掃除機をかけても効率的に吸い込むことができないため、この段階では窓は極力閉めておくようにします。
③キッチンの換気扇(レンジフード)に洗剤をなじませておく
前述の「放置系掃除」が必要となるのがキッチンの換気扇(レンジフード)です。換気扇は日常的に油の被害を受けやすいため、ギトギトしたしつこい汚れがビッシリと付着しています。
そのため、この汚れを落としやすいように洗浄力のある洗剤をなじませておくようにします。近年は台所洗剤だけではなく環境に優しい重曹を使った掃除も注目されており、アルカリ性の重曹が酸性の油汚れを効率的に落としてくれます。
④浴室のカビにカビ取り剤をスプレーしておく
キッチンの油汚れと同様に「しつこい汚れ」の代表的存在ともいえるのが浴室のカビです。このカビですが体力や時間を消耗せずに落とすには塩素系のカビ取り剤の力が必要となります。
浴室のカビが発生している箇所にカビ取り剤をスプレーしておき、しばらく放置しておきましょう。まれにカビ取り剤をスプレーした直後にブラシなどを使って汚れを落とそうという方がいますが、これは間違いなので要注意を。
カビ取り剤は成分の化学反応によってカビの組織を分解、漂白して落とすという仕組みです。カビの細胞が分解されるまでには時間を要するため、スプレー後はしばらく放置しておくようにしましょう。
また、カビ取り剤は塩素系の強アルカリ性のものが多いため、大理石を使用した浴室には使うことができません(原液を放置するとシミになることもあり)。カビ取り剤を使用する場合は浴室に使われている素材の確認やカビ取り剤の注意書きには必ず目を通しておくようにしましょう。
⑤トイレの便器内に洗剤をなじませておく
トイレは黄ばみなどに代表されるように尿石の汚れが主となります。この尿石の汚れも非常に頑固であり、通常の掃除で落とすのは困難です。そのため、便器内にも洗剤をなじませておくようにします。
現在はトイレ用の洗剤も種類が豊富ですが、王道ともいわれているのが塩素系の漂白剤や洗浄剤です。また、環境に優しいものを使用したいという方はクエン酸がおすすめ。クエン酸には水アカやカルキ成分などを分解する働きがあります。ただし、クエン酸は酸性でもあるため掃除の後にしっかり洗い流さないとサビの原因にもなるのでこの点だけは注意しておきましょう。
⑥窓・網戸の掃除
「放置系掃除」が必要な箇所に洗剤などをなじませたら、その間に窓や網戸の掃除をしてしまいましょう。窓や網戸の掃除を効率的に行うならガラスクリーナーや網戸用のワイパーを使用するのがおすすめです。また、網戸用のワイパーがないという方はフローリング用のワイパーでも十分に汚れを落とすことができます。
窓拭きは二度拭きを行うことがキレイにするコツとよくいわれますが、これらのアイテムを使用することで二度拭きをしなくても効率的に汚れを落とすことができるため、時短にもつながります。
⑦キッチンの掃除
洗剤をなじませておいた換気扇の汚れを落とします。換気扇はブラシやたわしを使って汚れを落とした後に水で洗い流せばOKです。換気扇をキレイにしたらキッチン周り(冷蔵庫・シンク・オーブン)の掃除に取り掛かりましょう。
キッチン周りも換気扇同様に油汚れが付着しているため、重曹を駆使してしつこい汚れを落としていきます。排水口特有のぬめりのある汚れは重曹の他にもお酢やクエン酸を使用すると大きな効果が期待できます。
キッチン用アイテムとしておすすめしたいのがキッチン用アルコールスプレーです。衛星環境を常に良好な状態にしておく必要があるキッチンに細菌やウイルスを蔓延させておくのは好ましくありません。
そのため、抗菌成分であるグレープフルーツ種子エキスなどを配合したキッチン用アルコール除菌スプレーを仕上げに吹きかけておきましょう。ちなみにこちらの除菌スプレーは100%天然由来の成分でできているため、食材、まな板、食器にかかっても大きな問題が起きることはありません。安心・安全な料理を楽しむためにもキッチンの掃除は手抜きをせずに行いましょう。
⑧浴室の掃除
カビ取り剤をスプレーしておいた浴室は時間を置いたことで、頑固なカビ汚れも簡単に落とせるようになっています。基本的にはシャワーで洗い流せばキレイになるため、体力や時間の消耗を防ぐこともできます。
また、浴室の排水口も重曹やクエン酸を使うことでこびりついた皮脂汚れを落とすことができます。ちなみに浴室の排水口には髪の毛が絡まっていることが多いですが、こちらは水酸化ナトリウムが含まれた洗剤の使用がおすすめ。
水酸化ナトリウムには髪の毛の成分であるタンパク質を溶かす作用があるため、髪の毛が溶けて掃除がしやすくなります。ただし、水酸化ナトリウムが含まれた洗剤を使用する時は手袋の着用を忘れないようにしましょう。
これらの洗剤には髪の毛と同じタンパク質で構成されている皮膚も溶かしてしまう作用があるためです。また、他のものと混ぜて使用すると有毒なガスが発生する可能性もあります。水酸化ナトリウムが含まれた洗剤を使用する時は単体で使うようにしましょう。
⑨トイレの掃除
洗剤をなじませておいたトイレの便器内も放置時間を設けたことで固くこびりついていた尿石がやわらかくなっています。このタイミングでトイレブラシなどを使ってこすっていけば汚れをキレイに落とすことができます。汚れを落とした後は水でしっかりと洗い流しておき、洗剤残りによる便器内の劣化を防ぐようにします。
⑩床や棚などの拭き掃除
床や棚などの拭き掃除で意識しておきたいことは「静電気の発生」です。通常の拭き掃除だとどうしても静電気が発生しやすくなり、逆にホコリが集まりやすくなります。特に大掃除の時期は乾燥しやすい冬になるため、床、棚の拭き掃除では「静電気対策を施した拭き掃除」を行ってみましょう。
静電気対策を施した拭き掃除と聞くと難しく感じるかもしれませんが、やり方は非常に簡単です。まず用意するものですが静電気防止効果がある柔軟剤です。この柔軟剤を水で4倍~5倍程度に薄めて使用するだけで、静電気が抑えられホコリの再付着を抑えることが可能となります。
ちなみにこの柔軟剤を使った拭き掃除はプロの業者も使用する方法であり、非常におすすめです。過去に「拭き掃除をしてもすぐにホコリが付着してしまう」という経験をされた方は今年の大掃除でぜひ試してみましょう。
⑪玄関の掃除
最後に玄関の掃除です。玄関の掃除ではまず下駄箱の中に閉まってある靴を全部出します。この際に長年使用していない不要な靴は処分してしまいましょう。ちなみに長期間下駄箱に閉まっておいた靴にはカビなどが付着していることもあります。
これが下駄箱特有の嫌な臭いの原因にもなっているため、カビや汚れが付着した靴は手入れをしてあげます。また、一度風通しの良い場所に出しておくのもおすすめです。下駄箱内の靴を全て外に出したら砂汚れやホコリを外に掃き出します。
その後エタノールを含ませた雑巾で下駄箱内を拭くようにします。こうすることで嫌な臭いの原因になっている菌を除去することができます。最後に乾いた雑巾で下駄箱内をもう一度拭くようにしましょう。
これは水分を十分に拭き取らないと下駄箱内に湿気がこもり、カビの原因にもなってしまうためです。「家の顔」ともいわれる玄関もしっかりとした手順で掃除を行い、気持ちの良い新年を迎えられるようにしておきましょう。