エアコンの選び方
2021年4月15日
忖度なし【おそうじのプロが教える】失敗しないエアコンの選び方
地球温暖化にともない年々猛暑がひどくなっているような気がしますね。
あるニュースによると熱中症で命を落とす人が近年、急増しているそうです。
2010年に統計史上初めて年間1千人を超えて以降、10年間の死者数は、2倍以上に増えているそうです。
エアコンなしでは夏を乗り越えられない時代ですね。
そんな気候変動もあり、エアコンの需要は毎年増加傾向にあり年間963万台以上売れているそうですよ。
ちなみに主要製品別にみると
冷蔵庫は393万台
洗濯機は464万台
IHクッキングヒーター77万台
掃除機495万台
電子レンジ343万台
炊飯器545万台
(2019年調べ)になるそうです。
エアコンがスバ抜けて売れていますね。
エアコンは、一家に平均で3台あるといわれていますのでこの結果もうなずけます。
さて、そんな売れ筋のエアコンですが、近年省エネ性能が向上し電気代もお得になっていたりAI機能が付いていたり、お掃除機能や洗浄機能など、各社多種多様なニーズに応えるかのように様々な新機種が販売されています。
今回は、その多種多様なエアコンをおそうじのプロが忖度しないでメーカーさんごとに比較しておススメのメーカーを発表したいと思います。
※今回は、数あるメーカーさんの中から大手4社に絞り比較したいと思います。
【大手4メーカーをあらゆる角度で徹底比較】
1・エアコンを選ぶ前にする事
2・冷暖房能力比較
3・独自性比較
4・洗浄機能比較
5・口コミ比較
6・おそうじのプロ視点からの比較
7・総合結果
【エアコンを選ぶ前にする事】
まず、エアコンはどの程度の冷暖房能力のものを選ぶかが重要になります。
よく店頭で見かけるこのラベルで見る所は、畳数ではなく能力(〇.〇kw)の部分です。
では、どのぐらいの能力が必要かですが、家屋の断熱性、場所や周囲の環境等に応じて変わります。
あくまで目安程度ですがシミュレーションできるサイトがいくつかあります。
http://www.id-c.co.jp/cgi-bin1/fukacheck/ac-doc.html
エアコンの能力と部屋があっていない場合、どのようなことが起こるか?
主に故障率が高くなったり、電気代が高くなったりします。
それなら少し大きめの能力を・・・
これもNGです。
例えるならスポーツカーが渋滞に捕まった時と同じです。
逆に能力が小さすぎる場合は、軽自動車で高速道路をアクセルベタ踏みで走っているようなものです。
燃費も悪くなりますし、エンジンに負荷がかかりすぎる為、故障率が上がります。
エアコンで1番燃費がよいのは、能力の70%~90%で運転している時だと言われています。
つまり適正値の能力からやや余裕をもった能力を付ければ最も燃費がよくなります。
部屋の大きさ(畳数)でエアコンの能力を決めてしまうと上記のようなチグハグな状態になり燃費効率が悪化するだけではなく故障率も上がってしまいますのでしっかり計算してエアコンの能力を決めたいですね。
さて、ここからはメーカーさんごとに比較をしていきたいと思います。
今回比較する大手4メーカーさんは
★DAIKINさん
★三菱さん
★Panasonicさん
★日立さん
【冷暖房能力比較】
6畳~29畳用にて比較
コンセント形状
6畳~12畳 100V
14畳~29畳 200V
【冷房能力】
DAIKIN 〇
三菱 〇
Panasonic 〇
日立 〇
冷房能力に関しては、各社大差はありませんでした。
【暖房能力】
DAIKIN ◎
三菱 △
Panasonic 〇
日立 〇
暖房能力に関しては、DAIKINさんの性能がやや高く三菱さんがやや低い設計になっています。
【独自性比較】
DAIKINさんの特徴
換気機能とうるる加湿
前提として普通のエアコンは、空気を循環させながら温度調節をする仕組みなので空気を入れ替える事が出来ません。
しかしDAIKINさんのエアコンは、室外機を通して外気を吸気する仕組みがあり、冷暖房しながら換気をする事が出来る事が最大の特徴です。
うるる加湿は、この換気機能の延長上で、外の空気中の水分をエアコンが取り込み無給水でお肌・お部屋にうるおいをお届けします。
エアコンで加湿が出来るのは、DAIKINさんだけになります。
三菱さんの特徴
ムーブアイMirA・I・+
新世代エアコン(FZ)ムーブアイMirA・I・+は、部屋の中を360°センシングし、温風・冷風が接する床・家具などの温度変化から空気の流れの強さを推測します。
風が見えるうようになったので人に届いているかどうかを確認し風を見ながら調節する事が可能になりました。
例えば、エアコンの風がさえぎられて部屋の奥まで風が届いていないような状況でも赤外線センサームーブアイMirA・I・+が風の流れを見つけて風向きや強さを自動で調節
さえぎる物があっても、風を届けるルートを探します。
他にも2つのプロペラを別々に回転させ、遅い回転でよわい風を、早い回転でつよい風を作り出します
暖房でれば、暑がりさんにはよわい風を、寒がりさんにはつよい風をコントロールします。
これにより暑がりさんも寒がりさんも快適に過ごすことができます。
他にも窓の外気温を検出し、先読みしてお部屋をあたためたり冷やしたりという予測運転も行えます。
また専用アプリでは室内のサーモ画像がリアルタイムで見る事ができます。
ここまで出来るのは三菱さんだけです。
新世代にふさわしい構造ですね‼
左右のプロペラの力を変える事で暑がりさんには強い風、寒がりさんには弱い風を送る事ができるそうですよ。
Panasonicさんの特徴
新・エネチャージシステム
一般的なエアコンの冷房は設定温度になれば、運転をOFFにします。
しばらくして温度が上がれば、運転をONにします。
つまりONとOFFの繰り返しで設定温度をキープしています。
しかし、これでは運転OFFの時に除湿機能もストップするので、部屋の温度は徐々に上昇します。
その結果、蒸し暑く感じる事がありました。
そんな湿度が上がる原因、運転のON、OFFをエネチャージシで解決します。
今まで使っていなかったコンプレッサーから排出される熱を冷房運転に有効活用
冷房を止めずに設定温度をキープできるようになりました。
つまり除湿機能も止まらずお部屋を常にさらっと快適に保ちます。
この除湿機能については2021年モデルから搭載された新機能になります。
暖房中は、霜取り運転中でも止まりません。
冬は室外機の裏に霜がビッシりつくこともあります。
このままでは暖房ができなくなります。
そこで必要不可欠なのが霜取運転です。
実は、従来のエアコンは、霜がつくと作った熱を部屋に送る事をやめ、霜を溶かす事に使っていました。
つまり、肝心の暖房はストップします。
その為に室温が5°以上も下がる事もありました。
通常運転中にコンプレッサーで生じた熱を前もってチャージしておき
霜取運転が必要になればチャージしておいた熱を利用
霜取中もノンストップで熱を送り続けるので暖房が止まりません。
暖房パワーを安定的に持続します
日立さんの特徴
くらしカメラAI
くらしカメラAIがお部屋にいる人を識別して、それぞれの在室時間を把握
体感温度の変化を予測し、人が不快と感じる前に気流を制御して快適を保ちます。
識別能力は高く、頭、顔、胸のそれぞれの色など個人の持つ複数の特徴を見分け一人一人を識別します。
人を識別する事で、入室間もない人にはしっかり送風、部屋に長くいる人には控えめな送風と使い分けができます。
さらにお部屋に合わせて風量を自動調整するほか間仕切りサーチもでき
例えばL字型の部屋の場合、間仕切りを開く事でパワーとスイング幅を調整して隣の部屋にも送風する事ができます。
【洗浄機能比較】
各社フィルター自動掃除機能は搭載されていますので、それ以外で比較します。
DAIKINさんの洗浄機能
加湿水&結露水でエアコン内部を放電(ストリーマー)・洗浄。
先ほどご紹介した加湿機能で湿度が高くなった空気を冷やして結露させた水で汚れを洗浄します。
さらにストリーマーを照射しながら内部を送風乾燥・加熱乾燥を行い、エアコン内部をキレイにします。
補足
ストリーマーとは、プラズマ放電によって発生する高速電子が、空気中の酸素や窒素と合体することで強力な分解素を生成、カビやニオイの原因菌を分解する方式です。
三菱さんの洗浄機能
よごれんボディとはずせるボディ(Zシリーズ)です。
これ以外にも、DAIKINさんと同じように結露水で洗浄する自動洗浄機能もあります。
よごれんボディは、パーツに油汚れやホコリ汚れをはじく素材が内部の気流の通り道にコーティングされている事を特徴としています。
またはずせるボディは、前面パネルやフラップを取りはして通風路の中まで掃除できたり
自動掃除メカのついたフィルターまで取り外せる構造により熱交換器まで楽にお手入れできます。
ご自身で掃除をして清潔を保ちたい人におすすめできます。
Panasonicの洗浄機能
ナノイーX内部クリーンです。
エアコン内部には様々なカビが発生すると言われています
これらのカビをナノイーX内部クリーンで抑制します
そして全自動お掃除でカビの栄養源「ホコリ」を手間なく除去します。
まずフィルターについたホコリは自動でキレイにし、とったホコリを自動で屋外に排出します。
フィルターの奥にある熱交換器は三菱さんと同じく独自のホコリレスコーティング仕様です。
ホコリがついても、エアコン内部に自然発生する水が自動で洗浄します。
洗った後は、加熱して自動で乾燥
ここまでしてから自動でナノイーXを内部に充満させるので高いカビ抑制効果を発揮します。
日立の洗浄機能
凍結洗浄とファンロボです。
エアコン内部の風の通り道である熱交換器から排水トレーまでピキッと凍らせ氷の力で汚れをキャッチします。
一気に溶かし、油汚れや付着したウイルスを自動で洗い流します。
また熱交換器の奥にあり、風を送り出すファンのホコリもファンロボ機能でしっかり自動洗浄します。
さらに汚れが気になる時はリモコンの「凍結洗浄」ボタンひと押しするだけでこれらの自動お掃除を一気にまとめて行うこともできます。
2021年モデルより、凍結洗浄の範囲が排水トレーまで広がった上に素材を銅とし、よりニオイ、カビ対策を強めました。
日立さんのエアコンは、洗浄機能に最も力を入れていると言えます。
【価格比較】
DAIKIN △
三菱 △
Panasonic 〇
日立 ◎
各メーカーの価格は、お店や販売時期、モデルによって大きく変わりますが上位機種でいうと、DAIKINさん、三菱さんがお高く、次いでPanasonicさん、そして日立さんが1番安価といった印象を受けました。
※三菱さんは、全機種こだわりの日本製(メイドインジャパン製)です。
【口コミ比較】
DAIKINさん
故障〇 サポート〇 加湿〇 加湿消費電力△ 洗浄時の送風時間△
三菱さん
故障〇 お手入れ〇 室外機のサイズ〇 AI運転への待機△
Panasonicさん
自動掃除〇 ナノイー〇 設定温度△
日立さん
洗浄機能〇 コスパ〇 カビはつかないわけではない△
DAIKINさんは、故障が少ない、サポートが良い、加湿機能が嬉しいと褒める声が多かったです。
一方、悪かった意見としては、加湿機能を動作させた時の消費電力アップを指摘する事がありました。
また、主に加湿が必要な冬の時期、外気が乾燥している中、加湿できるだけの水分が得られるのかという意見もあり加湿専用器には大きく及ばない見方が多いです。
効果は少なからずありますが過度な期待は禁物です。
そしてこれは各社そうなのですがエアコン内部洗浄の乾燥の際、少し生ぬるい風が出てしまうようです。
その時間がDAIKINさんは他社よりも長くせっかく冷やした部屋が暑くなったとい声がありました。
この設定は切る事もできますがカビが繁殖しそうで切れないという方がほとんどで、悩ましいところです。
続いて三菱さんです。
三菱さんもDAIKINさんと同じく故障が少ないと好評でした。
またお手入れがしやすいという事で常に清潔にしたいという方には嬉しいポイントのようです。
それとモデルにもよりますが室外機のサイズが他社よりも全体的に小さめで、これも良いという意見がありました。
一方悪かった意見は、各社そうなのですがAI運転に過度な期待をしすぎて、がっかりした
という意見がチラホラあった程度で目立った酷評がなかったのも印象的でした。
次にPanasonicさんです。
パナソニックさんは、自動掃除でホコリを外に排出する機能が嬉しいという意見がありました。
ずっとエアコン内部のダストボックスの中に入っているよりも気分的に気持ちいいです
またナノイーXのカビ繫殖抑制を褒める声がありました。
一方悪かった意見としては設定温度
これが多かったです。
温度センサーの性能的なものか、搭載位置の問題なのかはわかりませんが、設定温度と実際のの温度に乖離があり思い通りの温度にできないという意見がありました。
ここは改善して欲しいところです。
最後に日立さんです。
日立さんは、なんと言ってもその洗浄機能を褒める声が多かったです。
これを目的で購入される方もいらっしゃるとか。
それとコスパもいいと好評でした。
悪かった意見としては、掃除不要と考えている方がいらっしゃって洗浄機能がいくら優秀でも万能ではなくカビが全くつかないかといったら、そうではない事です。
各社、総じてパワーは皆さん満足されているご意見が多かったものの
AI運転については、絶賛されている方も多かった中
全然効果を体感できない、効きが悪いから手動で設定している
という声も少なからずありました。
AIはその性質上、学習させていかないと効果が表れてきませんが
使用される環境や条件によっては真価を発揮できないケースもあるようです。
過度な期待は禁物であると考えます。
【満足度比較】
DAIKIN ★4.39
三菱 ★4.41
Panasonic ★4.25
日立 ★4.24
現行モデルから1個前のモデルまでの5点満点の満足度平均点です。
各社非常に高い点数で、どのメーカーのものを購入しても満足できそうな点数ですが
その中でも安定に定評のある三菱さん、DAIKINさんが特に高かったです。
最後におそうじのプロがおそうじの視点から比較します。
・故障(部品の強度などを含む)
・汚れ度合
・分解難易度
DAIKIN
故障〇 汚れ度合△ 分解難易度◎
三菱
故障◎ 汚れ度合△ 分解難易度〇
Panasonic
故障× 汚れ度合× 分解難易度〇
日立
故障△ 汚れ度合〇 分解難易度△
【故障について】
どれだけ性能がよくても壊れてしまうと論外ですよね。
購入時に安くても故障が多ければ、結果的に高くついてしまう事もあります。
また、おそうじ屋さんとしては、分解して洗浄するわけですから故障しないようにおそうじする事が最も重要でありこの項目は、とても大切なファクターです。
DAIKINさんの故障率が低い要因は、構造がシンプルである事があげられます。
余計な部品が付いておらず、シンプルイズベストという感じですね。
また仮に故障しても高いアフターがあり、業界NO1クラスといって間違いありません。
次いで三菱さんです。
三菱さんは、様々な機能や部品を付けていますがなんと言ってもメイドインジャパン!
部品一つ一つを10万回以上の動作確認を行っており、厳しい環境でのテストも行われており、高い基準をクリアーした部品を採用している為、壊れにくいのでしょうね。
次いで日立さん→パナソニックさんとなります。
4メーカーさんの中では、パナソニックさんが1番厳しい評価となります。
中でも1番のネックがエアコンでは致命傷になる水漏れです。
洗浄後に水漏れを起こす可能性がある機種は、ACRD93-00940X 2011年度~2014年度 Fシリーズ(2.2~4.0kW)
その他の機種でも数機種ありますが、一度水漏れを発生させると特殊具という部品を取り付けないと修理できません。
構造上の問題だと思うのですがリコールではないそうです・・・
【汚れ度合について】
この項目は、基本的にどのメーカーさんも汚れています。
2年も3年も掃除をしていなければ、エアコンに限らずなんでも汚れています。
ただエアコンは、昔に比べて洗浄機能が向上しているのだから・・・
っと思われると思いますが洗浄機能が向上している箇所がアルミフィン部分である為、肝心の風を送り出すシロッコファン(送風ファン)部分はカビとホコリだらけです。
Panasonicさん(旧ナショナル)の自動排出型のお掃除エアコンは、数年程度で基本的にホコリが詰まってしまい、本来お外に排出されないといけないホコリがエアコン内部に溜まってしまっている事も多々あります。
※これは【自動排出型】エアコン全般的に同じです。
これは、凄くヒドイという訳ではなく
結構【あるある】な状態です。
排出ホースがホコリで詰まっていますね。
正直この自動排出型のエアコンを設置しているご家庭は、最低でも3年に1度は、プロにおそうじをお願いした方が宜しいかと思います。
【分解難易度について】
なぜこの項目が必要かというと、おそうじで1番重要なのは、【おそうじのし易さ】だからです。
おそうじというのは、構造が複雑になればなるほど難しくなります。
よって構造をシンプルにしておそうじをする方法が【分解洗浄】【分解清掃】となる訳です。
では、構造が複雑すぎて分解できない部分があったらどうでしょうか?
分解できない部分は、汚れたままです。
例えるなら服を着たままお風呂に入るようなものです。
忖度なし【おそうじのプロが教える】失敗しないエアコンのエアコンの選び方
1・エアコンを選ぶ前にする事
2・冷暖房能力比較
3・独自性比較
4・洗浄機能比較
5・口コミ比較
6・おそうじのプロ視点からの比較
【総合順位結果発表】
1位 DAIKINさん
2位 三菱さん
3位 日立さん
4位 Panasonicさん
流石は日本の大手4メーカーさんでしたね。
どのメーカーさんが1位でも問題ないレベルですが僅差でDAIKINさんを1位にさせて頂きました。
コロナ対策で換気が重要視される中で、唯一エアコンに換気性能をもたせている点、お値段はお高めですが、それを相殺するだけの故障率の低さ、アフターフォローの充実、構造がシンプルなのでおそうじのし易さ、この点などを高く評価した結果でした。
その他
東芝、三菱重工(ビーバーエアコン)、SHARP、富士通ゼネラル、コロナ、アイリスオーヤマ、とまだまだお値段以上に優秀なエアコンも沢山ありますので、何を重視するかで自分にぴったりのエアコンと出会える事をお祈りしております。
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